こんにちは、広報のmiyoです。
今日は、HUGEの取り組みのひとつを裏側からご紹介したいと思います。

店舗には沢山の料理人がいますが、「シェフ」と呼ばれるのはただ一人。
今回紹介する取り組みは、キッチンスタッフの中でも近い将来HUGEのシェフになるであろう、
“アシスタントマネージャー”向けの研修です。
その内容は、調理師学校に通い、もう一度、基礎の大切さ・大事さを
再確認してもらうというものです。
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今回改めて基礎を学ばせて頂くのは、
東京・蒲田にある「東京誠心調理師専門学校」さんです。
1970年設立の歴史ある調理師学校で、基本技術習得はもちろん、
一流講師を迎えた授業や、最先端の厨房設備で学ぶことができます。
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今回はメキシカン、イタリアン、和食など様々なジャンルから14名が参加いたしました。
 授業風景
今回の取り組みは計5回、最初の4回でどんな料理にも通じる基礎を学び、最後は最終試験です。

第1回.「煮る」
第2回.「焼く」
第3回.「蒸す・揚げ」
第4回.「ソース」
第5回.最終試験

講義を受けた皆さんにとって、これらのテーマは、
普段やっている仕事の復習、という事になるかもしれません。
ですがHUGEでは改めて「教えてもらう」事により、
基礎の大切さを再度認識して欲しいという思いから行っております。

また、料理の種類をクロスオーバーした発想の広がりも生まれます。
メキシカンの料理人が和食での調理法を学んだり、
和食の料理人がフレンチのソースを学ぶ。
メニューの幅がぐんと広がりますね。
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以降は最終試験の様子をレポートしたいと思います。
学んだことを本当に習得できたか、得点評価でシビアに試される試験です。
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試験は、制限時間60分の間に2つの課題が与えられます。
今回のテーマは下記の2つ。

作業時間 (60分)
①鯛の3枚おろし  20分
②牛フィレのポアレ 40分

それぞれ時間内に、評価ポイントをクリアしながら完成させます。IMG_2982
審査員として、誠心調理師学校の校長先生、
外部講師として※「アトラスの会」会長の中村シェフに参加頂きました。
※アトラスの会
フランス料理に携わる役職者、管理的立場を有する者が集まり、次世代へ料理技術指導、
情報共有をし、 フランス料理を継承していくことを目的とする会  (フランス料理文化センターHPより
 
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審査員の皆さんが見守る緊張感の中、実技試験は進んでいきます。IMG_3007 
まずは、鯛の3枚おろしからです。
20分という制限内で、 1匹まるごと綺麗な切り身にするところまで行ないます。

こちらの審査基準は、次の2点でした。
 ●骨に身が残らずに的確におろせているか
 ●鮮度は落ちていないか
審査風景

そして、間髪入れず、次は牛フィレのポアレに取り掛かります。
時間配分を考えながらも、焦らず丁寧にいつも通り、が求められます。
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 こちらは見た目もさることながら、味の審査も加わります。
牛フィレのポアレの審査のポイントは、次の6項目です。
 ●肉の焼き色 
 ●肉の焼き加減
 ●ソースの色、つや
 ●ソースの味
 ●付け合せの味
 ●皿の温度 
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審査員の皆さんが試食しながら、厳正に得点をつけていきます。
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審査の基準は、調理の姿勢にも及びます。
調理器具などを正しく取り扱えているか、
衛生面を考慮して作業が出来ているかといった基本の部分を見られます。
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受講生全員が課題を終えると、審査員が得点を集計し、
順位発表が行なわれました。
この瞬間が、一番緊張感が高まります。

そして、見事に1位を獲得したのは、銀座DAZZLEの落合さんでした。
総合的に見ても、頭ひとつ抜けて高い得点だったようです。
ただ、この場にいた全員自信を持って取り組んだはずなので、
中には悔しい思いをした受講者も多かったと思います。
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最後に、今回審査員として携わっていた
外部審査員の「アトラスの会」会長の中村シェフと
HUGE総料理長の滝嶋シェフが総評で受講者に伝えた言葉をご紹介します。

中村シェフ
 「料理というのは、何かあったときに基本に立ち返って、
  そしてまた進んで、 また基礎に戻って・・それの繰り返しです。
  シンプルなことほど、突き詰めていくのは難しい。
  今回の試験は、皆さんにとってとてもよい機会になったと思います。」 
 
滝嶋シェフ 
 「今まで料理人として、自己流でやってきた部分もあると思う。
  基礎に戻って、教わった事をお店に持ってかえってほしい。
  料理について理論的に話せる、理解できるというのは大切な事だと思います。」

共通しているのは、やはり「基礎の大切さ」でした。IMG_0013
身に付けた「基礎」をさらに磨く。
そして、マスターしたら終わりではなく、
何度も何度も基礎に立ち返る。
2人のシェフの言葉を胸に、講習を受けたメンバーは
それぞれお店へと戻っていきました。